酒は万病の元

akueikyou
(出典:「ビール酒造組合」

ビール酒造組合が提供している冊子に、「多量飲酒による身体への悪影響」という一覧が、部位別に載っています。酒をたくさん飲み続けた場合に、罹る可能性がある疾患名のリストです。
どういう病気になってしまう可能性があるのか、見ていきましょう。

【口腔、咽頭】 口腔、咽頭がん
【肝臓】 肝脂肪、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変
【骨】 骨粗しょう症
【十二指腸】 十二指腸炎、十二指腸かいよう
【小腸】 小腸炎、吸収障害
【足】 痛風、末梢神経障害、大腿骨骨頭懐死
【脳】 急性アルコール中毒、アルコール依存症、認知障害
【食道】 食道炎、食道がん、食道静脈瘤
【心血管系】 心筋症、高血圧、不整脈
【すい臓】 すい炎、糖尿病
【胃】 胃炎、胃かいよう、胃がん
【大腸】 下痢、痔、大腸がん

ちなみに世界保健機関によると、この他にもアルコールが原因で引き起こされる病気や怪我があり、その数は全部で200種類以上にも上るとのことです。
(出典:「Alcohol」WHO)

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アルコールは癌を引き起こす

そしてアルコールは、様々な癌を引き起こします。

WHO(世界保健機関)によると、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳癌の原因となるとされています。

まずアルコールそのものに発癌性があります。

また、少量の飲酒で赤くなる体質の、お酒に弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが、食道癌の原因となるとも結論づけています。

さらに乳癌については、欧米の疫学研究が一貫して関連を支持し、58,000以上の症例を含む53の研究をまとめた解析では、エタノールで10g(アルコール度数5%のビールで250ml)増加する毎に、7.1%リスクが増加しました。
大腸癌はエタノール換算50g(ビールで1.25L)で1.4倍程度のリスクとなります。日本と欧米の疫学研究を比較すると、日本人は欧米人よりも同じ飲酒量でも大腸癌のリスク増加は若干多い傾向にあります。大腸癌は頻度が多いので飲酒量を減らすことによる予防効果は大きいと予想されます。

厚生労働省多目的コホート研究 (2005年)では、男性に発生した癌全体の13%が、週300g(ビールで7.5L)以上の飲酒に起因すると概算されています。
毎日ビールと焼酎を飲んでいたら、すぐに超えてしまう量ですね。男性の癌全体の13%が、飲酒が原因であるとは驚きです。ちなみに女性では飲酒者のデータが少なく、飲酒の影響は男性ほど明らかとなっていませんが、データを見る限り、女性は一杯でもお酒を飲むと、癌になる可能性が高まるのが分かります。つまり、女性は男性よりも飲酒による癌を患いやすいと言えると思います。

そして飲酒が関連する発癌に関して、安全な飲酒量は示されていません。つまりビールを一杯だけ飲んだだけでも、癌になる可能性はゼロではないのです。

(出典:「e-ヘルスネット」, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-008.html )

         


アルコールはうつ病と自殺のリスクを高める

近年、国内の年間自殺者数は3万人を超えていますが、その中でうつ病が原因で自殺したと特定された人の割合は、およそ18%に上ります。
(出典:厚生労働省 「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめについて」

そして長期の大量飲酒はうつ病を引き起こすことが知られており、さらに飲酒量に比例して、自殺で死亡する危険性が高くなるという調査結果が出ています。
国内の調査に於いては、自殺者全体からのアルコール検出率は32.8%で、高濃度のアルコールが検出されています。海外の調査結果では、自殺した人や自殺未遂で救急病院を受診した人の平均で37%~40%の人から、アルコールが検出されています。このように自殺の直前に飲酒する割合は高いことが知られていますが、その理由としては下記の心理的な変化が原因とされています。

a. 飲酒が絶望感・孤独感・憂うつ気分といった心理的苦痛を増強する
b. 飲酒が自分に対する攻撃性を高める
c. 飲酒は視野を狭めて、死にたい気持ちを行動に移すきっかけとなる

(出典:e-ヘルスネット, 「アルコールとうつ、自殺」

  
   

アメリカの神経科学者であるジョージ・クープ氏によると、人間には気分を一定に保とうとする心理があり、アルコールで異常な「ハイ」になると、元に戻そうとする強い力がはたらくため、「ダウン」後は元のレベルよりも低い位置にまで下がるそうです。

加えて薬は身体にとっては異物なので、身体はその影響を打ち消そうとします。そのためその力が働いている時に、もう一回アルコールを体の中に入れても、以前と同じ量では同じような「ハイ」を味わうことができず、結果として飲酒量が増えていきます。そしてそれに合わせて打ち消す力も強くなるので、「ダウン」も大きくなるのです。その様子は、上下運動を繰り返しながら、だんだん落ち込んでいく波のような動きに例えられます。

(出典:廣中直行「依存症のすべて」, 2013年, p33-35)


           

自分も思い返してみると、長丁場の飲み会で、アルコールの力に頼ってテンションを維持しようとしても、時間の経過と共にテンションは下がっていきました。
そこで再度燃料(酒)を入れてテンションを戻そうとしても、大した回復はせず、最後には酔いに負けて潰れ、ゲームオーバーというケースがありました。

さらに飲んだ翌日は、前の晩友人たちとあれだけ騒いだのにもかかわらず、孤独感に苛まれることが度々あり、「これは一体どうしてなのか」と不思議に思っていましたが、これがその「ダウン」だったのでしょう。
この「ダウン」が大きいと、それだけで一気にうつ病になってしまう危険性もあるのではないかと感じました。

以上のように、飲酒は様々な病気の原因となり、時には命にも関わります。

「何故酒を飲む必要があるのか」ということを、今一度自分に問いかけてみてはどうでしょうか。

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『酒は万病の元』へのコメント

  1. 名前:テツ 投稿日:2016/01/12(火) 09:35:53 ID:170d62107 返信

    移転おめでとうございます。かなり記事を書かれていたのですね。

    WordPressは使いやすいですか?私は、本ブログのFC2がどうしても複雑で好きになれません。断酒ブログのウェブリブログぐらいが丁度いいです。

    さらなるご活躍を期待しております。

    • 名前:Ken 投稿日:2016/01/12(火) 11:11:08 ID:02ea6d307 返信

      ありがとうございます。今後はなんとか毎日更新でいきたいと思います。
      昔の記事をリライトするのも、なかなか大変ですね(笑)

      WordPressも大変ですが、どうせいつか将来移転するのであれば早いうちが良いと思いました。
      ちなみにブログのカスタマイズについては、FC2よりもWordPressの方が楽な部分はありますね。
      でも何かトラブルが起きた時は、こちらのほうが遥かに大変なことになる予感がしています(笑)

      今後ともどうぞよろしくお願いします。

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