日本一の秘境駅「小幌(こぼろ)駅」

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(※写真は小幌駅と全く関係ありません)

一昨日、「『秘境駅』に客置いてけぼり… 普通列車、過って駅通過」というニュースがありました。

内容を簡単にまとめると、「1月21日午後3時40分頃、『日本一の秘境駅』と呼ばれる、北海道豊浦町のJR室蘭線『小幌駅』を、長万部(おしゃまんべ)発東室蘭行き普通列車が停車せずに通過してしまい、乗車予定だった2人が駅舎のないホームに取り残されてしまった。JR北海道は約1時間半後、普通列車とは反対の函館方面に向かっていた特急「北斗」を臨時停車させて2人を『救出』した」とのことです。

今後もうあまり小幌駅は話題に上って来ないような気がしたので、今回記事にしておこうと思いました。

ちなみにこんな場所では、到底携帯は通じないような気がするのですが、実は繋がるらしいです。どのキャリアが繋がるのかはわかりませんが、おそらくdocomoであれば間違いなく繋がるのでしょう。

        

さて、小幌駅とは一体どこにあるのかと言うと、ここです。


位置的には札幌から見て南西に当たり、室蘭本線に乗って洞爺湖を過ぎ、函館方面へ南下していく手前ぐらいにあります。
調べたところ、札幌からですと途中まで特急を使って凡そ3時間程ですが、これは札幌を出発する時刻によっても、かなり変わってくるようです。

小幌駅はトンネルとトンネルの間の僅か87メートルの切れ目にあって、右を向いても左を向いてもトンネルがあるという、とても変わった駅です。ホームの北側には山がせり出していて、南側は海を見下ろす絶壁となっています。勿論無人駅で、現在では周囲に民家もありません。

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(出典:Naver まとめ

ちなみに写真の国道37号線から徒歩で小幌駅に向かう場合、深い森の中を通らねばならず、非常に危険です。熊と遭遇する危険性もあるので、絶対にお勧めできないそうです。

JR北海道の社員ですら、一体何故そこに駅を作る必要があったのかさえわからないという、摩訶不思議な駅なのですが、まずは夏の小幌駅の写真をから見てみましょう。

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牧歌的ですね。やはり夏に訪れる人が多いそうです。

もう一枚。

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(出典:Naver まとめ

そして冬の写真です。
ちなみにニュース当日の気温は、恐らく0℃前後だったと思われます。

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「Googleストリートビュー 小幌駅」(パソコン推奨)で見ると、様子がまるわかりです。

冬は・・・ちょっと行きたくないですね(笑)

さて、以降は北海道を取材した渾身のルポルタージュである、渡辺一史著「北の無人駅から」の記述から引用していきます。

    

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なぜ小幌駅が存在するのか

理由① 周辺の保線作業をする時に、小幌駅があると助かるから

小幌周辺は断崖絶壁で、海沿いにトンネルが続く区間であるため、駅を含む約8キロの区間に道路は全く通じておらず、車では一切近づくことができません。
そのため、保線の職員たちも一般客と同様ローカル列車に乗り、小幌駅まで行って作業を行うそうです。

理由② 以前は小幌駅崖下の海岸線に、十数軒の漁師の家があったから

昭和40年代までは、駅から降りていったところの海岸線に、人が住んでいたそうです。

そしてその中の一人に、豪傑の漁師「文太郎さん」がいました。

  


文太郎さんは気性が荒く豪胆で、しかも大酒呑みでした。
そしてある夜、泥酔して線路上で寝ていたところを電車に轢かれ、左足を切断してしまいます。

しかし文太郎さんは全く懲りません。
その3年後には再び泥酔し、今度は右足を電車に轢かれて、ついに両足が無くなってしまいます。
それでも文太郎さんは不屈の魂で、バリバリと漁師としての仕事をこなしながら生きていくわけですが、まあ凄いですよね。普通は心が折れます。とてもじゃないけど、真似できません。

ちなみに酔って線路に落下してしまい、足を切断する事故は珍しくないそうですが、それで例えば最終電車を止めてしまった場合、その時間から他の乗客たちが帰宅するために掛かった莫大なコストを、JRから請求されることもあるそうです。
自分の足が無くなるだけでなく、財産までも全て無くしてしまうのですね。
これほど悲しい出来事があるでしょうか。

     


・・・ここまで小幌駅についてまとめてきたら、まるでもう自分も行ってきたような気分になりました(笑)

結局自分は一度も行かないまま人生を終えそうですが、今度鉄道マニアの叔父に勧めてみようと思います。

(出典:渡辺一史「北の無人駅から」, 2011年, p12-65)

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